住職のひとりごと

鳥取市にある浄土真宗本願寺派のお寺、淨宗寺の住職日記です。基本は毎日更新です。

2021年01月

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2日に『特別措置法案』が通過するようですが、70人超の法律学者が「刑事罰の削除は当然だが、そもそも罰則自体が政府の失策を国民にかぶせるものであり、法律違反だ」と告訴したそうです。去年の黒川氏問題の時と同様に、今回の告訴から『措置法案』が全面的に破棄の方向に動くことを願っています。なぜなら、総理は「罰則と支援をセット」と言っていますが、現実は罰則については具体的な内容を言いながら肝心の支援についてはまったく具体的な説明がなく、本当にそれが実施がされるのかどうかも分からないのですから。
ところで、この『独り言』を始めた時はその時々に思ったまま、感じたままを書くのが目的でしたが、昨年の中頃から愚痴や不満を書くことが多くなってきました。確かに愚痴や不満も「思ったまま、感じたまま」であることに違いありませんが、本来は日常生活の中に見られた喜びや楽しさ、《当たり前》のこととして見過ごしていた自然の美しさや花の可憐な姿などにもう一度目を向けて(もともと花が好きですから)、その思いを言葉や写真にするつもりでした。それがどうして最近はこんなに《愚痴》や《不満》や《腹立たしさ》を含んだ内容が増えてきたのでしょうかねぇ。
(今日の写真は、1週間前に載せたピンクの椿を接写したものです)

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夕べの雪質と降り方から「明日は20㎝は積もるなぁ」と思っていましたが、今朝の積雪量は少し少なくて16㎝程度でした。その中を除雪機(今冬3度目)を稼働させて参道をあけましたが、機械で除雪できない所はスコップです。その時になんとなく「雪が重い」と感じたので、思っていたよりも水分が多い雪になっていたのでしょう。夕べは車にひっついていた雪がこびりつくほどでしたが、さすがに《大寒》も過ぎた今は「寒い」と感ずる気温でもないので、午後からは雪解けが始まるかもしれませんね。
ところで、本堂の花瓶に活けていた千両は花を生け替える時に実を取って袋に残していますが、どうも当寺の土地と千両とは《相性が悪い》のか(万両はあちこちで新芽を出していますが)、なかなか根付きません。亡母もそのことを言っていましたが、やっと裏庭の一画に1株だけ根付きました。これは生け替えた後の実を何年間も蒔いていたためだと思いますが、人に聞くと「蒔く前に実に傷をつけておくことが大切」とのこと。もしかすると実を取った後で黒くなるまで置いていたのを蒔いたのが逆によかったのかも・・・。本当に自然は「人間の思い通りにはいかない」ものなのですね。
(写真は、白の万両です)

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『措置法』の改正では刑事罰を削除することで与野党の合意を得ましたが、何か最初からそうなるように仕向けられた感があります。CMでよくやる方法で、最初に高値を示しておいてから「◯◯円の値引き」と言って購買欲をあおるやり方にそっくりなのです。本来なら、罰則で締め付ける前にその必要がないように十分な策を検討するのが為政者の仕事のはず。それを、支援の追加を求められて「生活保護があるだろう」と突っぱねる総理には、日本の政治家の本質(《我こそは》という意識)が見られました。
そもそも《生活保護》を申請すると親戚や親兄弟に「この人が生活保護を求めているが、行政の代わりに面倒をみられないか」という調査があり、その人にとっては最後まで持ち続けたい《人としての誇り》が傷つけられることになります。また、相談に乗ってくれる人が誰もいないからこそ申請するのであって、「自分が代わりに・・・」という人も当然に出るはずがありません。そのように種々の事前調査があるので、認定までに長時間かかるだけでなく認定される率も非常に少ない(中には、申請書さえ出してくれない所もある)のがこの《生活保護制度》なのです。それに「車がないと就活も出来ないし、見つかった仕事にも行けない」状態でも、《生活保護》の規定では「車を持てる者は認められない」という矛盾もあります。
(でも、こんな生活保護の条件などを総理達は知らないのでしょうね。《上級市民》ですから・・・)

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先日植え替えたディフェンバキアは失敗しました。寒さの中でなんとか頑張っていたのを急に植え替えてやったので、《親心》が逆に徒になったのかもしれません。もっとも、固くなっていた土を木くず(バーキュライト)に変えたのも原因の一つかもしれませんが・・・。境内で万両と千両を並べて鉢植えしていたものもなぜか千両だけが枯れていましたが、やはり気候の変化に対する適応の差が植物にもあるのかもしれませんね。そう言えば、3年ほど前にご門徒から戴いたタマノカンザシも、冬場に《親心》で室内に入れていたら弱ったので次の冬は外に出しっ放しにしていたらちゃんと花をつけたということがありました。『やはり野におけ、レンゲソウ』ではありませんが、「それぞれに合った環境というものがあり、それを人間が勝手に変えていいものではない」ということなのでしょう。とはいえ、きっとまた同じ失敗を繰り返すことでしょうが・・・。どうして人間というものは《失敗》から何も学ばないのでしょうかねぇ。それとも、私だけ??
(写真のベゴニアは花芽がなくなり、葉だけになっています。とりあえず元気です)

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もう何十年も前になりますが、恐竜が全盛を誇っていた白亜紀よりも3億年ほど昔(デボン紀)に生存していたシーラカンスが1938年に南アフリカで発見された時は《生きた化石》として大変なニュースになりました。その後は南アフリカやインドネシアでも数匹が発見されていますが、先日駿河湾の2100m超の深海で超大型のイワシが発見されました。それまでにも35㎝もの大型イワシが発見されて《セキトリイワシ》と名付けられていましたが、今回発見されたものは実に140㎝以上もあり、その大きさから《ヨコヅナイワシ》と命名されたそうです。普通に鰯と言えばどんなに大きくてもせいぜい15~20㎝程度だと思っていましたが、それが140㎝となるともう「魚偏」に「弱い」と書く《鰯》ではないでしょう。以前にも数十mにも成長する《ダイオウイカ》をTVで見たことがありましたし、そこから「巨大イカや巨大タコに船が襲われ、船員達を恐怖に陥れる」という内容の映画が作られましたが、月面に人間が立ったり月の裏側を見ることが出来る現代になってもまだ陸上で生活している人間にとって「海の底は今だに《未開の地》だ」と言われています。しかし、いくら《未開の地》であっても駿河湾は日本からそんなに離れている場所ではありません。そんな場所でこれほど巨大なイワシ(しかも新種)が発見されたという今回の発表は、なんとなく我々を『海底戦艦ノーチラス号』や『海底都市』等の小説に描かれている世界にまで連れて行ってくれそうな《夢》がありますよね。

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