住職のひとりごと

鳥取市にある浄土真宗本願寺派のお寺、淨宗寺の住職日記です。基本は毎日更新です。

2021年10月

「今年は例年に比べてキンモクセイが遅いなぁ」と思っていましたが、やっと昨日から庭に漂ういつもの香りにほっとしています。やはり晩秋には紅葉(黄葉も)とキンモクセイの香りがないとつまらないですよね。
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そう言えば昨日のテレビで「観光名所の一つである清水寺では檜皮葺きの屋根も無事に修復が終わった」と伝えていましたが、西本願寺でも国宝の唐門の修復(40年振り)が9月末に終わっり、2017年から始まっていた阿弥陀堂の修復も来年の3月31日に工事完了となります。それに伴って4月1日には阿弥陀堂から御影堂内陣にお移ししていたご本尊(親鸞聖人像は北脇壇に移動)を元に移す『ご遷仏』と聖人の御真影を元に戻す『ご動座』の法要が勤められます。また翌2日には『阿弥陀堂内陣修復完成』の奉告法要、そしてこの慶讃法要が13日と14日(午前10時30分より)に阿弥陀堂で営まれますが、京都もなんとか緊急事態宣言も解除されました。今の京都は(コロナの不安は別としても)観光には最高ですよ。

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以前にも書いたように、この時期は法務以外にも寺報やカレンダーの製作で多忙になります。もともと何もない時にボーッとするのが性に合わない性格のために何か仕事を見つけては動いていますが、10月中旬にはカレンダーの製本に使う製本テープと吊り紐を準備し、一昨日は印刷が済んだカレンダーの表紙と12ケ月分(計13枚)をセットしてからホッチキス留めの作業をしました。そこに載せる標語は数年前に掲示板に書いていた言葉を使っているし、年間行事も殆ど決まった内容なので原稿の事前準備は楽なのですが、12ケ月分のイラストだけは同じものが使えないために図柄や色塗りも含めて《自作》となります。毎年これに一番頭を悩ませていて、今回も数冊のイラスト集から図柄を探して何とか必死(?)で描きましたが、疲れました。後は吊り紐をつけてから製本テープを貼って完成ですが、それはご門徒にも手伝ってもらって(寺報の発送の準備もある)来週にする予定です。そして、その後には今年の《お磨き》と《清掃活動》が待っています。12月は《師走》と言って多忙のように言われますが、本当はこの時期の方が日程的には厳しい感じですね。

昨日の10時半頃、ちょうどお寺に来られたご門徒から「パトカーがすごい数止まっているが、何かあったのですか」と言われ(サイレンが鳴らなかったので気づかなかった)、慌てて外に出ると確かにすごい数のパトと警察関係者。そこにいた警官に理由を聞いても何も教えてくれないし、道路封鎖も「現場保存の関係から」としか言わないしで、何があったのかさっぱり分からず。どうも近くの交番に市民から入った異常事態を知らせる連絡を受けてやって来たようでしたが、結局何もないと分かって間もなく何人かの警察関係者と数台のパトを残して戻りました。
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しかし、隣の公園から当寺の端まで赤色灯を回しながら居並ぶパトの姿は確かに《異様》ですよね。もっとも、一番ビックリされたのはお寺に来られたご門徒で、「何も違反をしていないのに、車の後ろから数台のパトがついて来たのにはドキドキでしたよ」とのこと。植木達と違って、私にはその気持ちがよ~く分かりますよ。

今日の新聞には八頭と智頭にある紅葉のスポットが載っていました。「紅葉が例年よりも遅れている」とのことですので写真は実写ではなくて春のウラクツバキと同様に毎年新聞に載る《おなじみ》の風景ですが、それにしてもその素晴らしさはいつ見ても《感動もの》ですね。それに比して遊歩道のトウカエデは感動を与えるどころか、「落ち葉を散らして邪魔になるだけ」と悪評だらけ。先日も色づきの様子を調べましたが、大きく枝葉を伸ばした中に一ケ所だけ紅葉が見つかっただけでした。
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これが全体が紅葉したままで残れば綺麗なのでしょうが、少しでも風が吹けば吹き飛ばされてちり積もるだけなので、残念ながらとても「感動する」とは言えない遊歩道の光景です。

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この時期になると朝の5時半はまだ暗く、それから10分15分と経つにしたがって少しずつ明るくなってきます。そんな今朝に最初に聞こえたものは遠くで鳴っていた救急車のサイレンと大通りを走り去っていくコンテナ車のエンジン音だけ。最近は冬ごもりの準備にかかっている虫だけでなく、雀たちの声もまったく聞かなくなりました。植物を見ると秋の気配もずいぶんと濃くなっていますが、自然界では朝になるといつも耳に届いてきた音が聞こえなくなってからずいぶんと時間が経ったように感じています。そんな自然界の変化とともに、既に高齢者の仲間入りとなっている我々が戦後の《ベビーブーム》と呼ばれ、その後には《モーレツ世代》や《ゆとり世代》等の数々の呼び名が登場しましたが、今では今朝の新聞の文芸欄(短歌)に載っているように後々《スマホ世代》と称される若者達が登場しています。すっかりAI化してきた世の中には、もはや「自然の息吹」を感ずることは出来ないのでしょうか。
ところで、蛇足ながら、麻生大臣が過日「スマホは日本の発明」と言いましたが、大阪万博の時に初めて使用されたのは携帯電話であって、スマホではありませんからね。念のため。

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