住職のひとりごと

鳥取市にある浄土真宗本願寺派のお寺、淨宗寺の住職日記です。基本は毎日更新です。

相変わらず朝方の空気が冷たくて、まだ1枚羽織らないと動き出すのが辛いです。今朝もそう思って着たのですが、今度は暑く感じられる始末。そのため、今の時間は4時46分ですが、この欄を書き終えたらベストを脱いで仕事に取りかかることになるでしょうね。
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ところで、隣の公園ではニシキウツギがその名のとおりに赤白桃と色鮮やかに満開になっています。もともとこの土地は当寺の境内地でありながら、鳥取大火後に市に取り上げられて寺に何の説明もなく《公園》と登記されたもの。こんなことは当寺だけでなく罹災した寺院の殆どに隣の公園があるのはそのためですが、このニシキウツギは今は亡き先代(亡母)が「火事で何もなくなったが、せめて境内に花が咲いてくれたら」と言って植えたものです。それが何とか根付いて花が咲くようになったのですが、その花は白から始まって時間が経つにしたがって赤色を濃くしていくので、散り落ちる前は赤黒い色になり、少し触れただけでもパラパラと落ちていきます。離れて全体を見ているととても綺麗なのものですよ。ただ気を付けないといけないのは、蟻が枝のあちこちを這っているということ。綺麗だからと思って枝を切って持ち帰った時に、蟻が家に入り込む、なんてこともありますからね。


境内に出て目につくのは、やはりグングンと伸び始めている木々の新芽。そして、逆に散り始めている泰山木の古い葉。この泰山木は初夏になると新しい枝の先にメロンほどもある大きくて真っ白い花を咲かせる(開花すると直ぐに散ってしまう)のですが、その前にまるでユズリハのように古い葉を落としてしまいます。しかもその葉は大きいだけでなく固いので、特に植木の中に散っているものを掃き集めるのも大変です。今年も5月初旬に一度木の下にもぐり込んで綺麗にしていたので、ここ数日の落ち葉を見るとゲンナリします。何しろそこには椿や躑躅などが何本も植えてある場所なので、小型の熊手を使って集めるのもそれこそ「もぐり込んで」という姿になります。しかも塀の側には小石が撒いてあるので熊手もあまり役に立たず、本当に膝に悪い姿勢で(古い葉を)掃き集めるのは《苦役》そのもの。泰山木の落ち葉を毎日見ている今は、家を囲むようにあちこちに木々を植えていた亡母がうらめしいことです。でも、咲いた花を眺めるのは確かに楽しいものです。
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ついでに、お供えとして送られてきた百合で茎が折れていた蕾ですが、小さな瓶に入れて坊守の写真の前に置いていたらちゃんと開花しましたよ。写真は今朝まだ暗い時に窓辺に置き直して写したものですがね。

5月も今日で終わり。朝方は寒くて1枚重ねても昼近くになると暑くて脱いだりという日が続きましたが、これからはジメジメした日を送るのかと思うと、ますます憂鬱になります。特に夜具について冬物なのか夏物なのか困ったことも何度かありました。そこで「どうせなら冬物を仕舞ってしまおう」ということで、昨日は思い切ってコインランドリーに(ついでに夏物も一緒に)掛け布団を持って行って洗濯・乾燥のスイッチを押してきました。と言っても機械の使い方が分からず、ウロウロしていましたが・・・。なにしろ今まで行っていた店とは違ってすべて画面の操作から始まることも分からず、偶然にやって来た店の人に聞いてやっと操作が出来ましたがね。
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昨夜は少し寒い感じがしたので冬物を掛けましたが、やはりふわっとしていい気持ちでした。今日はそれを仕舞って夏物に交換しますが、もしも冷え込んだら困るので、坊守が作ったパッチワークの上掛けも準備しておきます。
この百合は義母から「娘(坊守)にお供えしてほしい」と送られてきたものです。部屋がいい香りで満たされています。

毎日のように何故かいろいろと忙しいことですが、よく考えると殆どが自分で作り出した仕事ばかり。と言っても寺報や永代経法座の案内等ですから仕方がないものばかりですが、今まではご門徒の方々にも助力をお願いしていたことも多くて、やり方によっては時間の節約が出来るものも多いはず。しかし、やはり坊守でないと(住職という立場では)なかなか頼みづらいもので、結局は自分1人で時間を見つけてやってしまうことに・・・。
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先日はお墓の隣で元気に延びている蔓や草を抜き取ったり込みいってきた椿の新芽を(少しですが)剪定したりして、「気にかかるので」という理由もありますが結局は《貧乏性》ということなのでしょうね。ボーッとしているのが何故か苦手で、とにかく何かしていないとダメなこの性格は坊母からの遺伝かも・・・。
ところで、今気になっているのは当寺のお墓の横で伸び始めているザクロの新芽。放っておくとお墓にかかるほど伸びてしまい、しかもザクロの枝にはトゲがあるので「何とか早めに剪定しないと・・・」と毎朝お線香を供えに行っている時には考えているのですが、戻る何故か頭から抜けていますがね。

昨日の朝に膝の治療に行った時はまだ寒くて背中が冷えたので、ベストを羽織りました。車から外に出ると陽が当たってそんなに冷えることはなかったのですが、とにかくまだ朝方は寒いですね。
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そんな中でも土を取り除いて水をタップリいれてやった火鉢では、睡蓮の葉が水面まで伸びてきています。勿論メダカもメダカも(たった1匹だけですが)元気いっぱいです。これで可愛い花が咲けばもっといいのですが、なにしろ手を入れたのが遅かったものですから、こればかりは無理かもしれませんね。写真は1週間前のもので今では浮き葉が水面を半分隠すほどになっていますが・・・。そろそろ頼んでいるメダカが来てくれないかなぁ。

昨日のお昼頃に、義母から「坊守の仏前にお供えを」ということでピンクの百合が15本ほど送られてきました。あらかじめ電話では聞いていたので直ぐに箱を開けて花瓶2つに分け、先代(両親)と坊守の写真が飾ってあるお仏壇の前に飾りましたが、とてもいい香りがします。その後はバタバタしたのでお礼の電話は夕方になりましたが、「お仏壇の前に飾りましたよ」と言うと義母は喜んでくれました。その後の話はいつも娘(坊守)との思い出話になります。義母にとっては「何があっても電話1本で飛んで来てくれた」大切な娘の《逆縁》ですから・・・。(私も寂しいので、義母ならもっと寂しいのでしょうね)
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ただ残念なのは、開けてみると蕾が3個折れていたことです。2つはガラスコップにいれて窓辺に置き、もう1つは折れそうになっていた枝を1本を切り取って一緒に小さな花瓶に入れ、坊守の写真の前に飾りました。今日の写真は玄関に飾っているものにして、百合の写真はまた後日にでも撮っておくつもりです。

やっと昨日は寺報と永代経法座の案内を印刷し終えてホッとしましたが、まだ印刷の必要なものが残っていたのに気づいて大慌て。と言うのも、それを印刷にかける肝心な用紙がきれていたのです。そのために大急ぎで注文に出かけましたが、2~3日かかるとのこと。仕方がないので、それ以外の仕事に取りかかることにしました。総代会の報告を兼ねた寺報の後は次号の発行まで少し時間的余裕があったので気を抜いたのが失敗の元ですね。紙が届いたら大急ぎで仕事に取りかからないとダメなようで、益々疲れがたまります。
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昨日は午前中に本堂の供花を活け替えてからお墓もお花をお供えしましたが、横を見ると先日の雨を受けて蔓が伸びている様子。完全に《仕事の追加》でガックリですが、坊守がいつも気にして取り除いていた蔓ですから「なんとかがんばらなくっちゃ」という気分です。満開の紫蘭のように花ならいいのですがねぇ。

数日前は30度を超える《夏日》だったのに、昨日は「今日は寒いですね」の挨拶。もう1枚着なくてはとても寒くて過ごせないような夕方になってしまいました。冬物の法衣は先週に洗濯に出したのですが、若院からは着る必要が出来た布袍がなくて、慌てた様子で「6月になってから出せばいいのに」と言われることに。実際に下着と合わせると4枚になる法衣ですから、あまりにも暑くてとても冬物などは着ていられなかったのですがねぇ。
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そんな昨今ですが、坊守の好きなピンクの薔薇は一昨日の雨に濡れて首を折っています。梅雨が近づいてきたせいか挿し芽をしていた紫陽花はぐんぐん伸びていますし、親木には花芽が付いてもうすぐ色付く様子なので花は楽しみなのですが、私にとってはこの薔薇のように一番苦手な季節の到来に悩みそうです。

毎月の奥様の命日にお参りさせていただいている方から「今月は体調が悪いから」との連絡があって今月は中止になりましたが、その1週間後に往生されたとの報が入りました。今まで病気のことなど何も聞いていなかったので驚きましたが、お通夜の席では自分で買ってこられた花(特に白の胡蝶蘭)が毎月必ず飾ってあったことや写真の前にはいつもお菓子がお供えしてあったことなどから奥様を大切にしておられた姿を話し、最後に『倶会一処』と『還相』のことを言って「今は2人仲良く揃って皆様を見守っておられますよ」と伝えました。
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その方にとっては「夫婦は《一心同体》、《比翼連理》」と言われるほど大切な方であり、辛い日々であっても「いつもお前のことは忘れていないよ」と語られていただろうことが伝わってくる毎月のお供えでしたからね。(坊守の方は、芍薬からカーネーションの切り花に変わっていますけれどね)

昨日は当寺の仏婦研修会&総会が行われて研修会の日程が変更になりました。その結果、毎月の実施日が固定されてその日が土日・休日となった場合には《休止》とのこと。そのために今年度は半分の回数になってします。皆さんも忙しくてなかなか参加しにくいのは分かりますが、お斎や念仏奉仕団体旅行だけでなく何をするにしてもコロナ禍以降は中止になりましたから、こんな時ほど坊守の存在が大きかったと思われることはありません。仕方のないことですが・・・。
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義母からはよく「2人から貰ったテッセン(クレマチス)や紫陽花が境内で今盛んに咲いている」と電話がかかってきますが、「それを見ていると優子がいるようだ」と寂しそうに、そして懐かしそうに語る声を聞いていると、こちらからは愚痴を言ってはいけない気がします。義母の悲しみを募らせることになりますからね。(こちらのテッセンは年々痩せ細って、今年はこの2輪だけですがね)

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