住職のひとりごと

鳥取市にある浄土真宗本願寺派のお寺、淨宗寺の住職日記です。基本は毎日更新です。

2020年06月

6月も今日で終わり。年明けには雪がまったく降らなくてスキー場も困っていましたが、まさかその2ケ月後にこんなことが起るなんて予想だにしていませんでした。そして、コロナコロナで明け暮れた4~6月でしたが、その6月も今日で終わり。今年も半分が過ぎたことになりますが、明日からは新たにレジ袋の有料化が始まります。
ところで、この有料化の構想は以前にもありました。その時の理由は「石油の消費を抑えるため」でしたが、今回は「海洋汚染(マイクロチップによる汚染)を抑えるため」とのこと。そのため、政府からは「植物性バイオマスが25%以上含まれているものは無料」との指示もあり、そちらに切り替えて無料を続ける店も出ています。しかし、レジ袋はプラゴミの中のわずか数%である上にバイオマスが入っているものが「環境に優しい」ことは全くなく、逆にバイオマスの材料を作るためには大量の植物が必要になり、そのために多くの樹木やトウモロコシ等の植物が刈り取られるので、逆に酸素を生み出す森林が減少する原因にもなっています。しかも、「環境に優しいから、捨てても土に戻る」と言われているそのバイオマスの袋ですが、捨ててもプラ部分は溶けないし、バイオ部分も腐食した時には一酸化炭素やメタンガスを吐き出すので逆に「温暖化現象」の一因でもあり、国連でも警鐘を鳴らしているのですがねぇ。本当に、政府による説明は「すべて結論ありきの後付け」なのだということがよく分かります。

過日「蒸し暑い」と書いたのがきいたのか、今朝はさわやかな一日の始まりになりました。じっとりとした空気よりも青空とサッパリとした空気には、やはり心も軽くなりますよね。
ところで、ローリング・ストーンズと言えば我々の年代には懐かしいグループですが、今朝のニュースで「トランプ氏が自分たちの曲を勝手に使うことを禁ずる」と宣言したとのこと。「これを破れば法的処置を執る」とまで言っているそうですが、その辺はやはりアメリカ的ですね。「自分の言いたいことははっきりと伝える」という強い意思とそれに対してハッキリと是非を伝える司法の態度には今の日本(政府関係)も見習ってほしいものです。新聞を隅から隅まで目を通すことから一日が始まりますが、特に最近の報道には1本心が通ったような記事が少ないように思われます。それが日本的な《玉虫色表現》なのかもしれませんが、少なくとも忖度だらけのコメンティターや芸能人の不倫に時間を割くような番組は見たくもありません。

当寺では年間5回の時報発行をしており、前号では「自慢」について書きました。「《慢》は《慢心》の意味で、自分を人よりも高い位置に置く心を意味する」というようなことを書き、最後に「《我慢》も同じことですよ」と結んで終わりましたが、昨日おいでになったご門徒から「どうして我慢が同じなのですか」と尋ねられたのです。《我慢》は確かによく使われる言葉で、「我慢しなさい」とか「よく我慢したね」というようにいい意味として使われます。「それがどうして《自慢》と同じなのか」と言う質問でしたので、こう答えました。「確かに《我慢》はいい意味でよく使われます。しかし、我慢をする人にとっては、『自分はもっと出来るのに』とか『どうして自分が・・・』という反発する気持ちを押さえつけることになり、もともとそんな気持ちがないならば『押さえつける』ことをする必要もないはずです。その意味で《我慢》も同じなのです」と。勿論「自分の方が上」だという意識を表に出す《自慢》と押さえつける《我慢》とは本質が違っていますが、根底においては似たようなものを含んでいますよね。
言葉は使う場所や場面や相手(TPO)によって意味が違ってくることもありますからよほど意識して使わないと大変なことになりますが、何故か政治家の言葉ほどは「軽い」ものはないですね。

昨日は雨が上がってから気温が上がりました。と言ってもここ数日の夏日よりも数度は低かったのですが、それでも大雨の後の高温ですから、湿度が一気に上昇。私の一番苦手な《高温多湿》状態になり、身体がだるいのと肩コリによる頭痛ですっかりダウン状態いに陥り、扇風機をかけても、風が直接やってくるとますますだるさが増すばかり。そのために少し上を向けて回しましたが、今までこんなことはなかったのでにさすがに突然の《高温多湿》になった昨日ばかりはまいりました。水槽の中でゆったりと泳いでいるメダカが羨ましくなるほどです。梅雨とくれば紫陽花が連想されますが、境内にある鉢植えの赤い紫陽花は既に花が終わろうとしていますが、ドウダンツツジの裏に置いている青の紫陽花は(1輪だけですが)元気いっぱいです。これは直射日光に当たっていないせいでしょうから、そう考えると人間にも植物にも夏の直射日光は危険ということでしょうかねぇ。おまけに今夏は《マスク着用》という今までになかった生活様式まで加わっていますから・・・。

昨日夕方のニュースを見ていたら、理化学研究所の面白い実験が報告されていました。『腹が減っては戦が出来ぬ』が本当に正しいのかどうかという実験結果です。「餌をやっていないゼブラフィッシュとやっているものを一緒の水槽に入れた場合、どちらが勝つか」というものですが、結果は空腹の方が勝ちました。研究員の報告では「空腹が神経回路に作用し、『生きたい』という意識が勝ったようだ」とのことですが、その結果報告を聞いて「ぬるま湯につかっているような国会議員に聞かせたい」と思ったのは、果たして私だけでしょうか?世界でも有名なフォションが破産しましたし、日本でも老舗の旅館や長年愛され続けてきた食べ物屋が店を閉めました。また、今回のコロナ禍ではバイトで生計を補っていた学生達も収入がなくなり、1日1食にしたり退学を考えている者もいると聞いています。でも、自分から「辞める」と言わない限り国民の税金がいつまでも《給与》として流れ込んでくる議員には分からないでしょうね、そんな人達の苦悩は《他人事》ですから・・・。
(アカバンサスも向日葵のように同じ方向を向くのですね)

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