住職のひとりごと

鳥取市にある浄土真宗本願寺派のお寺、淨宗寺の住職日記です。基本は毎日更新です。

2020年08月

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いよいよ今日で8月も終わりますが、今日の暦は『野分』。「野の草花を分けるように吹く大風」ということで台風のことを意味しますが、この《台風》という漢字はもともと《颱風》だったそうですね。実は《「颱》とは「夏から秋にかけて南方から襲来する暴風」のことであり、春から夏にかけての暴風には風に具と書く《颶(ぐ)》が当てられます。このように、ちょっとした違いのもとに言葉を換えるものは日本語には多く、その中でも昔から今に至るまでよく使われているものに雨の種類があります。たとえば「小雨」「霧雨」「こぬか雨」「五月雨」「梅雨」等がそうですが、最近はこれに「ゲリラ雨」が加わりました。しかし、この言葉には何となく風情がないですねぇ。そういえば、花見橋の袂にあるこのしだれ柳もかつて台風で倒れたことがあってその代わりに後になって植え替えられたものですが、現在は《育ちすぎ》で川側の枝は剪定もされずに伸び放題ですので、大風の時はすごいですよ。
ところで、似たような自然現象でも「霧」と「霞」とは季節が違いますし、今の季節の代表である西瓜や花火は、実は《秋》の季語です。最近はテレビの影響もあって俳句が参加ですが、季語が載っている『歳時記』は現代の感覚とは違って江戸期のものですから当然に《旧暦》なのですが、「『歳時記』にそう書いてあるから」というだけで不思議に思わない人がいかに多いか。世の中のことを当然ととらえるか疑問に思うかは大変な違いなのですがねぇ。


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今日で8月も残り2日間。初めて盆参りを中止した衝撃の1ケ月と言うよりもあまりの暑さに何も言う元気のない1ケ月と言った方がいいかもしれなかったこの8月は、時には関東や北海道での大雨のニュースを見ると「鳥取にも降ってほしい」と願ったり、朝夕のかすかな虫の音やアキアカネの飛翔に「やっと秋が来たのか」とホッとしたり・・・。そう考えると、やはり《忘れられそうにない8月》であったのかもしれませんね。
ところで、昨日はジンジャーを数本切り倒しました。あまりにもたくさんの茎が伸びているためにまいた水が行き渡らず、半日でダウンしてしまいます。しかも、そのことが近くに生えているアジサイやボタンの鉢植えにも悪影響を及ぼし、なんとか根付いたと安心していたものが全滅したからです。とにかく、これで水が行き渡ればいいのですがねぇ。高校時代(と言っても、60年近くまえですが)は30度で「暑い!」と叫んでいたのに、今やゲリラ豪雨に加えて最高気温が40度になろうかというのですから、日本はもはや《温帯》ではなく《亜熱帯》に仲間入りですかねぇ。

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昨日午後からの半日は安倍総理の退陣のニュースで一色でした。しかし、会見の中では次の総理について何も指示されず、決定方法も一任とのこと。今回の理由が体調不良ということですから仕方がないかもしれませんが、仮にも一国のトップが次の準備も何もしないでの退陣表明は困ったものです。まして今は新型コロナを初めとして韓国問題や日本経済の停滞(GDPの下落)等のまっただ中ですから、真の指導者であるならば絶対に《空白期間》を作るべきではなかったと思います。しかも、自らが作った《モリカケ問題》も《桜問題》も《公文書の改ざん・破棄》も「真摯に対応する」と言いながらすべて「闇の中」になってしまうでしょうし、《拉致問題》や《北方領土問題》も「自分の在任期間には必ず解決する」と言いながらの退陣ですから、ガッカリした人も多いのではないでしょうか。
次の総理が誰になるかは分かりませんし在任期間も1年間ですからすべての結果が出せるとは思いませんが、是非とも「次につながる政策」「希望の持てる政治」そして「かまどの煙から民の生活が分かる」人になってほしいものです。ちょうど剪定した椿が新しい芽を出しているように、「新しい日本の力」を引き出してくれる人の出現を願います。


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8月も既にカウントダウンになりましたが、猛暑だけは相変わらず素知らぬ顔をしています。予報では今週1週間は35度前後の日々とか・・・。
ところで、今年は新型コロナのせいで当寺も行事予定がまったく狂ってしまいましたが、本来なら明日が《仏婦・仏壮合同懇親会》を計画していました。これは「皆で飲んで食べて楽しく語ろう」というもので、寺族や門徒という立場を超えて腹蔵なく楽しい時間を過ごそうという考えのもとに10年ほど前から始めた懇親会です。(当寺の行事にはその他にも12月には蕎麦打ちの会もありますが、この方はもともと《男だけの料理教室》として始めたものでしたが、ある時蕎麦打ちをしたところが好評で「来年もこの蕎麦打ちを」となり、そのまま《蕎麦打ち》と《忘年会》を兼ねる行事として落ち着いたたものです)そして毎月予定していた《淨宗寺仏教婦人会研修会》も含めて8月までの行事がすべて中止に。とりあえず鳥取のコロナ禍も少し落ち着いたようですので9月からの行事は様子を見て再開するつもりですが、残り4ケ月を無事に過ごすことが出来たら嬉しいものですね。


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一月前に購入したヒメノボタンの鉢植えですが、あまりの猛暑に耐えかねて生え際が殆ど枯れてしまいました。垂れ下がっている部分にはまだ青々とした葉が見えるのですが、生え際があまりにもひどい状態なのでバッサリと切り落として木陰に置いています。するとそこに少しずつ青葉が出てきていますので、やはり思い切った剪定は成功ではないかと思っています。とにかく昨今の猛暑は1日でも気を抜くと植木がシナッとなってしまいますので、要注意です。(この春に綺麗なピンクの花を咲かせていた牡丹が枯れてしまったのは残念ですが・・・)
今日は一昨日に青木だけにしていた本堂の花瓶に生花を挿してお飾りする予定です。今は鉄砲百合が綺麗な時期ですのでそれを中心に生けるつもりですが、この暑さで3日ともちません。薬を入れたり水を入れ替えたりするのですが、やはり一度土から切り離したものは弱いもの。このことは、この花のように「我々人間もしっかりと地面に足を踏ん張っていないとダメだ」ということを教えてくれているようにも思えます。

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