住職のひとりごと

鳥取市にある浄土真宗本願寺派のお寺、淨宗寺の住職日記です。基本は毎日更新です。

2020年09月

IMG_1435
とうとう長月も今日で終わります。長かったようで「あっ」という間の9ケ月のようにも感じます。
3月27日の「全国一斉休校」の要請から始まった新型コロナ禍では、全国的なマスク不足と消毒用アルコールの不足から手作り用マスクの丸ゴムまで店当から消えてしまいました。また、政府主導の「各家庭に2枚の配布」という布マスクの発送と売れ取りが遅れに遅れたことに加えて不良品の続出で「税金の無駄遣い」とか《アベノマスク》とまで揶揄されたマスク問題や、「国民の気持ちを逆なでする」と言われた《コラブ》問題等々が起こり、果ては病状悪化で突如の退陣声明を出した安倍総理とそれに続く新総理の選出でまたもやすったもんだした国会でしたが、さらに《Go to ~》でも賛否両論の噴出。国会でこんな馬鹿げたことが続出したせいでしょうか、本当に「あっ」という間に過ぎてしまった感があります。しかし、そんな中で始まったマスク生活にもなんとか慣れたようですが、逆に、今までは《当たり前》であった空気のおいしさに今になって気がつくようになりました。これも考えようによっては「災い転じて福となす」ことかもしれませんね。
(10月の掲示板は、その意味を持たせて書きました)

IMG_1436
今朝は納骨堂の供花を入れ替え、ついでに境内の秋明菊を切って玄関に生けました。その境内ではヒガンバナの花が開ききっていますが、遊歩道では秋の太陽を受けて赤のヒガンバナの蕾が見えてきました。遊歩道の花壇ではツツジが威張っていますのでヒガンバナはおとなしくしていたのでしょうが、それでも秋の太陽を受けて枝の隙間からスッと穂先を伸ばしてきたのでしょう。
郊外では黄色に彩られた田んぼの畦で赤々としたヒガンバナが幅をきかせていますが、もともとこのヒガンバナはモグラなどから田んぼの水を守ることを目的に植えられたもの。しかし、最近の田んぼ事情ではモグラよりもジャンボタニシの方が大問題とか。なにしろ、中には田んぼ一面の苗が食べ尽くされたところもあるとのこと。昨日の新聞には「酒と米ヌカを混ぜた餌をペットボトルに入れて田んぼに仕掛け、数百匹ものジャンボタニシを捕獲した」というニュースが載っていましたが、これも新型コロナ禍と同様に自然の猛威と人間の知恵との追いかけっこなのでしょうね。もっとも、今はどうも人間の知恵が《後追い》している感じですが・・・。

IMG_1432
昨日は竹内結子さんの死去と正代の優勝という悲喜交々の出来事が生まれた1日でした。《苦しみ》の裏には常に《喜び》が寄り添っていますが、釈尊は「命を得てこの世に誕生したものは、誰も苦悩から逃れられない」と悟られたように、《喜び》だけの人生はあり得ないということを知らせられた1日でした。
ところで、今日の午後から某葬祭センターを会場にして意見交換会がもたれます。本来《葬儀》は大切な方との最後のお別れとともに今までお世話になった方々へ感謝を伝える一時でもあり、何よりもみ仏の教えに出会わせていただく大切な一時でもあります。その葬儀が昨今は経済的な理由や新型コロナ禍とともにさまざまな家庭事情等でなされない事案が増えています。中には葬儀をしないで荼毘にふすのみならず、その遺骨さえもお持ち帰りにならない方もあるとか聞いていますが、このような風潮が進めば《葬儀》のみならず《仏教》ひいては《宗教》の存在意義までも失われかねません。そのために宗派を問わないでの意見交換会の場が設けられることになりました。私は残念ながら同時刻にご法事が入りましたので欠席の連絡をいたしましたが、「お寺の存続は当然という時代ではない}ということなのでしょうか?それとも我々の努力不足なのでしょうか?
(公園に子供の声が聞こえなくなってから何年経ったのでしょうか)

IMG_1431
昨日は午後から買い物に出かけましたが、店から出る直前に土砂降りとなったので慌てて車まで走りました。乗った途端に聞こえてきたのは「鳥取市に短時間大雨警報が出た」とのニュース。雨はすぐに小降りになったので安心しましたが、今朝の新聞で鹿野町に161㎜を超える雨が降ったと知って再びビックリです。よく「バケツをひっくり返したような」という言葉が使われますが、実際にバケツをひっくり返すと時間的には短くても《滝》状態になるのは、夏の水まきでも分かります。柄杓でなくてバケツのまま水をまくとバシャッと飛んでいく、あのイメージですよね。それが実際に大空から落ちてくるわけですから、傘も役に立たないことでしょう。それにしても、今夏は球磨川や千曲川で氾濫が起こりましたが、あれほどの大河が氾濫する雨というのは、一体何をひっくり返した状態なのでしょうか?境内では、そんな雨の中でもヒガンバナが開いていましたが・・・。

WOTA
夕べのニュースに、「都内にWOTA15台が設置された」というものがありました。WOTAとはもともと若者達が中心になって立ち上げたベンチャー企業が作り上げた還元型の水利用機器の一つで、「シャワーや手洗いで水を使っても3層のフィルターを通して98%以上は元のきれいな水に戻る」という画期的なものであり、現在では災害被災地でも被災者やボランティアの人たちが使うシャワーとしても設置されて喜ばれています。なにしろ「98%以上も水が元に戻る」ということは節水(もちろん、ある程度の補充は必要)になるのであり、何よりも《手洗い》が一番だと言われている新型コロナ禍では何よりの機器ですし、特にアルコールにアレルギーを持つ人にとっては有り難い装置でしょう。
このベンチャー企業については1ケ月程前にTVで製作過程と都内での実験が放送されていましたのでご覧になった人も多いと思いますが、その放送中にデパートや商店街などで使用した人たちの感想もあり、私も「これはきっと話題になる」と感じたものです。機器の使用料や設置費用等で1台に2万円程度(1ケ月)かかるそうですが、役に立たないマスクに使った数百億円がもしもこれに使われていたなら、きっと最高の《いいね》が貰えたのではないかと思うのですがねぇ

↑このページのトップヘ