住職のひとりごと

鳥取市にある浄土真宗本願寺派のお寺、淨宗寺の住職日記です。基本は毎日更新です。

2020年10月

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私が朝ドラを必死で見たのは『ゲゲゲの女房』だけでしたが、今回の『エール』は甲子園の応援歌『栄冠は君に輝く』を歌う場面でしたので、その放送部分だけ見ました。
ところで、《夏》と《甲子園》はつながっていますが、大会の時はいつも盆参りのためにゆっくりと見ることはありません。でも、この歌はなぜか耳に残っています。昨日のコラム『海潮音』で初めて作詞者のこと(右脚の切断)を知り、野球に打ち込んでいた子供時代の思い出とそれが出来なくなった絶望感に打ちひしがれた彼であるからこそ、病気やけが、そして戦争によって大好きな野球をあきらめなければならなくなった多くの若者達の悲しみを知り尽くしているのであり、だからこそ爆弾や銃撃に遭うこともなく青空の下で好きなだけ白球を追い続けることが出来る喜びと素晴らしさを高らかに謳歌したこの歌詞が生まれたのでしょう。そして、自らも「自分の作った《戦争賛歌》を歌いながら多くの若者が死んでいった」という苦しみでどん底まで堕ちていった古関裕而だからこそ、その作詞家の気持ち(絶望の果てに生まれた「野球が出来る」という喜び)が理解できたのであり、そのような2人の存在があの素晴らしい曲を生み出したのでしょう。この大会の応援歌自体は今までも聞き知っていましたが、その裏にあった事実を知った今だからこそ、ますます心に響く《名曲》として永遠に残り続けるであろうと強く信ずることです。
ただし、私は軟式テニスやバドミントンは出来ますが、野球に関してはフライが上っても落ちる場所が分からない野球オンチ(蛇足ながら、「アンチ巨人」でもあります)ですがね。

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先日、市内の高校の先生から「鳥取大震災の様子を残したいので、話を聞きたい」と連絡が入りました。確かに当寺は昭和18年の大震災で全壊しましたが、その後やっと再建したものの昭和27年の大火災で全焼という憂き目に遭いましたので資料は当然に残っていませんし、その時に避難したり災害後の苦労をした両親も既におりません。私自身も大火の時に3歳ですから、当然に地震当時のことで知っているものは何もありませんし、どのご門徒がその当時のことを経験しておられるのかも分かりません。ご門徒の古老ともいろいろ雑談を重ねていますが、大地震の時のことは誰からも聞いたことがありませんので紹介も出来ません。その旨話をして「折角ですが、何もお話しできることはありません」とお断りをいたしました。先生は感情を害しておられたようですが、仕方がないですよね、知らないことは話せないのですから。
今朝は空気も冷たく、車を車庫に駐めてからカメラを持って桜土手を歩いて写真を何枚か撮りました。紅葉した桜のに並んで実をつけている柿の木や遊歩道に散り積もった落ち葉たちを見ていると、しみじみと初冬のたたずまいを感ずる昨今です。

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10月も残り3日間。11月になると報恩講法座とそれに伴う清掃奉仕作業(仏具磨きも)が予定されていますが、法座案内の発送作業とともにお参りの人に渡す来年用のカレンダー(当寺の作成)の製本作業も控えており、ここ数日はその事前準備でバタバタです。とりあえず寺報と案内文は既に印刷済みですが、それらを封筒に入れるためには折ってないとだめなので、今日はその作業で半日潰れそうです。県内外の門徒に送るとなると封筒の宛名書きもありますが、今は《紙折り機》があるし宛名もPCで出来るようになったのでとても楽になっていますが、それがなかった時は年間5回もの発送作業は本当に泣く思い(郵送料の値上がりには今も泣いていますが・・・)でした。ただ《ご法義の伝道》と《ご門徒とのつながり》という大きな目的があったからこそ40年も続けられたのですが・・・。その寺報も今回で168号となり、50号ずつファイルしたものが現在は4冊目に入っています。もっとも、4冊目は原稿だけでなく完成品も一緒に綴じているのでファイルがパンパンになっていますが、ね。
また、当寺が編集したカレンダーには月ごとにイラストと過去に掲示板に書いていた言葉を記載しています。掲示板の言葉はずっと記録してあるのでいいのですがイラストは一昨年から私が描いており、その拙さに赤面の至りです。そして、来年用のカレンダーに載せるイラストに何度苦しんだことか・・・。

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今朝のニュースで、横断歩道手前で一時停止する車の割合を伝えていました。1位は長野県で72%。隣の島根県は5位(43%)でしたが、肝心の鳥取は22位(22%)でした。ちなみにワースト3は岡山・東京・宮城で、最下位の宮城は5.7%とのこと。
実際に時間帯によっては市内に出てくる対向車の陰になって子供の姿が見えず、渋滞した対向車の陰から突然に飛び出してくるということも多くあります。私もそんな時には横断歩道の手前で徐行運転で確認してから通過したということが何度もありましたし、歩道の手前でなくても「あの生徒は渡りそうだなぁ」と感じた場合には停まるようにしています。しかし、一番困るのは、通勤や通学に行く人たちの横断歩道手前の情景です。なにしろ、信号が点滅しているにもかかわらず、中には離れた位置から自転車に乗ったままスピードを上げて走ってくる人がいるのですからね。歩道から2~3m程度でしたらこちらも停まって待ちますが、10m近く離れていたら「次の信号まで待つだろう」と誰でも思うものですが、それが突っ込んでくるのですから・・・。特に鳥取駅前の横断歩道は片側しかない(歩行者専用の地下道は反対側にある)うえに車道は2車線(駅に向かって、直進と左折が同じ車線)のため、朝の通勤・通学時間帯は歩行者の通過を待つ車で渋滞しています。「やっと歩行者の列が切れて車が動き始めた途端に突っ込んでくる者がいて、運転手も後続車も大慌て」という場面を何度か見ていますが、都会ではこんな場所の多くはスクランブル交差点になっています。でも、全国一県民の少ない鳥取ですから、無理なのでしょうかねぇ。関係者にに聞いてみたいものです。



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鳥取の新型コロナの罹患者数が2人増えました。報道では「県外から帰省した人が元になって家族と友人が感染した」とのことですが、報道記事の合計数と県別の合計数が書かれている表とが違っていて、県別では37名となっているのに報道記事では38名。いったいどちらが正しい数なのでしょうか?「1名くらいどうでもいい」ではなく、やはり報道機関には正しい内容が求められるのではないでしょうか。自分の好きなように文言を解釈して平気な人もいるのに、どうも私はこんな小さなことが気になる性格のようです。
ここ数日は納骨堂入り口の解錠に出た時に睡蓮の葉が黄色になっているのを見ていますが、今朝はその葉が1枚増えたようです。別に毎朝数えているわけではないのですが、昨日はなかったはずの所に黄色の葉が見えた感じがしたので、そう思っただけ(これが「見る」と「見える」の違いなのでしょうかねぇ)ですが・・・。この睡蓮の葉の下でじっとしているメダカたちに会えるのは、何ヶ月も先なのでしょうね。その時が待ち遠しいことですが、今はとりあえず初冬に咲く花たちを見るだけにしましょうか。(今日の写真は、当寺の墓の隣で咲いている白玉椿です)

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