住職のひとりごと

鳥取市にある浄土真宗本願寺派のお寺、淨宗寺の住職日記です。基本は毎日更新です。

2021年06月

山ウツギ
28日間も陽性者が出なかった鳥取でしたが、とうとう昨日4人の陽性者がでました。気の緩みではなく、やはり「いくら注意していても、誰でも罹る可能性がある」ということなのでしょう。鳥取とは逆に東京では陽性者が微増しているとのこと。オリ・パラの開会を見越して緊急事態宣言の解除日を決めるなどという人間の《自分中心》的なあさはかな考えをあざ笑っているウィルスが見えるようです。
ところで、昨日の蒸し暑さは「やはり梅雨なのだなぁ」と実感させるものでした。1度の読経でも下着も襦袢も汗びっしょり。「汗と一緒に体力も削られるのではないか」と思えるほどで、これが猛暑の夏になったらどうなることかと心配になることです。若い時にはそんなことを考えもしないで炎天下を動き回っていたのですがねぇ。明日からいよいよ猛暑・酷暑の7月に突入。本当に平均気温の上昇と体力とが相反していることを実感する昨今です。

コロナ禍で中止か延期かと騒いでいたオリ・パラも結局は《強行開催》ですが、そこに至るまで費やした半年という時間が今日で終わります。この半年で益があったのはワクチン接種が少しだけ進んだことで、それ以外は一体何があったのか分からない半年でしたが・・・。
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ところで、当寺にとってはこの間に大きな事業が生まれました。当寺の山門は前住職の3回忌の時(昭和61年)に建立したものですが、鳥取大火災で焼失した本堂はそれ以前に再興されています。その時には道路沿いにコンクリート剥き出しの塀があったのですが、「これでは山門との流れがみすぼらしい」とのことで、コンクリートの塀を土台とした瓦葺きの塀が新しく造られました。それから既に30年経ち、モルタルも弱ってきたので補修しようとしたのですが、肝心の土台(旧コンクリート塀)は70年前に立てられたのもので2ケ所もクラック(ひび)が入っていることから、土台の強度調査をした結果が「強度なし」とのこと。そのために危険防止のためにもこの塀を撤去して全面的に作り替えることになり、今は瓦をすべて外した状態です。費用については再建工事を認めていただいた総代にも「寄付を募らないでする」ことで了解を得ていますが、工事を始めるにあたって予想もしていなかった難題も生まれ、目下頭を悩ましている次第です。

とんぼ
本堂の供花が夏場になると暑さで水揚げも悪くなり、すぐ萎れてきます。先日の新聞にはガラス瓶やちょっとした鉢に活けた花を長持ちをさせる方法が載っていましたが、「毎日水を取り替える」「水の中で切り、古くなった切り口は切り取る」などと書いてありました。《水切り》や《表皮を取る》ことは亡母から聞いていましたし、《ミョウバンをつける》方法や《ポンプで茎の空洞に水を押し込む》などと花の種類によっていろいろ方法があることを知りましたが、なにしろ「言うは易く、行うは難し」。「水を毎日取り替える」ということは「その都度生け直す」ことになり、特に仏花の場合は大きく重い花瓶(かひん)を毎日移動させるという大変な作業に加えて《生け直し》となると、花の向きが変わっても全く違った形になることもあって大変です。なにしろ内陣のお飾りですから、《その場》で活け直すことが出来ませんしね。
いつも「内陣関係は住職の仕事」と言っていた亡母の言葉に従って供花は私がいつも活けていますが、どんな花がどれくらい必要なのかを考えていてもそれが店にないこともあり、特に夏場は本当に活ける前から活けた後まで心配が続くことです。トンボも日陰を求めて飛んでいますよ。

剪定2
やはり「餅は餅屋」なのでしょうか。数日前に1人で庭の剪定をしましたが、半日かかってやった作業もどこをしたのか分からないほど。おまけにトゲに泣かされて医者のお世話になったのが、プロはさすがです。2人で松を初めとして椿や菩提樹や梅など家の周りの木々を殆ど(勿論木の種類によっては残した木もあります)終わらせたのですから。その時にグンと伸びて本堂の樋に影響が出ている公孫樹の下枝も少し捌いてもらいましたが、伸びている公孫樹の枝や幹の《頭止め》は初冬にしてもらうようにお願いしました。また、処理に困っていた剪定した枝があったので、この際一緒に持って帰ってもらいました。専門業者ですから処理方法はよくご存じですからね。
剪定1
6月も残すところ4日間。今年も半分が過ぎようとしていますが、月が変わればすぐに永代経法座がやってきます。今年はコロナ禍で講師の来鳥が困難ですので、法話はUSBに入力してもらったものをスクリーンに映して聞いてもらうことにしました。私は《機械オンチ》ですから、その操作はご門徒にお任せですがね。

ミニバラ
3日前に午前中かかって泰山木の落ち葉(ゴミ袋3枚分)を掃き集めたついでにボケや紫陽花やツツジ等の剪定をしましたが、夕方近くになって左人差し指の腹がズキッ。気づかないうちにトゲが刺さっていたようなのでピンセットで取ろうとしましたが、どうしても無理。そこで1日おいてから針を使って再度挑戦しましたが、奥に入っているようなのでまたしても無理。仕方なく3日経った昨日の午前中に外科医院に行って診察してもらった結果、じっくりと見ないと分からないほど細い2㎜程度のトゲが取れました。(抜き取った時は思っていた以上に痛かった!)
しかし、いくら考えてもそんな細いものがどの枝にあったのか思い当たりませんが、わずか2㎜程度の小さなものでも強い痛みを与えるのですね。それを「人体の持つ感覚の鋭敏さ」と捉えるべきか「自然界の人間に逆らおうとする(生き残ろうとする)力」と捉えるべきかは判別出来ませんが、とにかく何かの折に指先に生まれるズキッとした痛みから3日振りに解放されてホッとしたことです。

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