住職のひとりごと

鳥取市にある浄土真宗本願寺派のお寺、淨宗寺の住職日記です。基本は毎日更新です。

2021年09月

総裁選はやはりと言うか、党員票では全国で37の党員から指示を受けながら、わずか7の党員からの指示を受けていた岸田氏に議員票の数で逆転されました。まさに前々回の《安倍ー石破》戦の再来であり、言い換えると「派閥の力学」「民意の無視」とも言える総裁選でした。まぁ、最初から安倍元総理の影響力が相当に関係していたことは明白でしたからね。
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まぁそれはさておいて、今日の新聞には伯州綿の取り入れの写真が載っていました。私も数年前に育てていた綿の花から採った種を残していますが、去年は植え付けに失敗して苗が育ちませんでした。「来年は絶対に・・・」とは思っていますが、実は綿の他にもう一つ育てたいものがあります。それは真夏の青空の下で咲く真っ赤な花の《紅蜀葵》です。かつて亡母が育てていた《芙蓉》や《十二単》や《紫式部》等がいろいろな悪条件が重なって絶えてしまったのですが、その中に《紅蜀葵》もありました。そして、この花には今は亡きご門徒にもつながる思い出の花でもありますので、「何とかしてもう一度境内に咲かせたい」と思っていましたが、偶然に種が手には入ったので、さっそく本堂裏のアカバンサスを取り除いた所に蒔きました。なんとか発芽してほしいものです。これが無事に咲けばこの欄に載せることが出来るのですが、「来年のことを言えば、鬼が笑う」ですよね。
(写真は、お彼岸参りでお供えされた納骨堂の花の様子です)

9月も残り2日ですから、もうカウント状態。そして、月末になるといつも頭を悩ませるのがこの欄にある「住職挨拶」の記入と掲示板の書き込みです。掲示板は以前に考えていた文言を書いて既に貼ったのでホッと一息です。ただ「住職挨拶」の方は総裁選で慌ただしかった9月が10月になるとどう変わるのか全く読めないので、内容は《希望的観測》のようなものになるかもしれませんね。
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ところで、金曜日に急に左足首から先が痛み出し、土曜日になると踏み込む度にビリビリ痛みが走ってまともに歩くことが出来ず、一日中ビッコ状態でした。しかも、普段なら起立した時には左右の足先がV字型になるはずが、なぜか左だけ外を向いている!診察の結果その原因が分かったので治療してもらったので今朝は痛みも治まりましたが、数年前にも第五腰椎のねじれで左脚に痛みが走ったこともあり、最大の原因は退職後の運動不足が筋肉を弱らせたことにあるようです。
(ドバトは、そんな痛みとは無縁なのでしょうかねぇ)

昨日は御嶽山が突然に噴火して大勢の方が亡くなられた日ですが、朝のラジオニュースではそのことと共に「登山客も戻りつつあります」と言っていました。かつて《素人のど自慢》番組の名物アナだった方が他の番組内で「ある時、いつもと同じように『今日はいいお天気ですねぇ』と挨拶すると、前にいた方から『アンタにとってはいい天気でも、わしら百姓にとっては雨が降らないと困る』と言われました。挨拶一つでもその時の状況や相手によって受け取り方が違うのだということを、今さらながら知りました」と言われた話が残っていますが、今回の「登山客も~」が果たして適切だったのか、これを本当に喜んでいいのかは人によって立場が違いますから、一概には判断出来ません。
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ところで、よく『以心伝心』が日本人同士では当たり前のように言われますが、同時に「言葉によって意思疎通することは、人間と他の動物との違いだ」とも言われます。しかも言葉は文字と違って発しても形として残るものでもないので、そのことから政治家がよく「言っていない」「記憶にない」と言い逃れして安心しているのもなんとなく分かります。しかし、現在では文字として残っても《匿名》のために受けた者だけが傷つくという事件が多くなっています。そんなことまで考えていると「《言葉》というものは《凶器》にもなる」という言葉が妙にしっくり来る昨日のアナウンス内容でした。
(そんなことには無頓着で餌をついばんでいるドバトもいますがね)

「捨てる神あれば拾う神あり」という言葉があり「去る者あれば来る者あり」という言葉もあるようにこの世は何かが欠けても常に補い合って存在しているようですが、相撲界にも同じことが起こりました。病気や怪我で一時は幕下まで陥落した者が努力して最高位の横綱にまでなり、その最初の場所で優勝した照ノ富士に対して引退を表明した白鵬の2人がそうです。ユズリハは新しい葉を育てるために古い葉が散っていくことからつけられた名前だと言われていますが、この相撲界を代表する2人も同じなのかもしれませんね。思わぬ怪我によって数場所で引退せざるを得なかった稀勢の里の後は1人横綱で頑張ってきた白鵬も、今回の結果を見て「自分は怪我で横綱としての相撲は取れなくなったが、後を任せられる者が出たから」との思いが生まれたのかもしれませんね。私はプロ野球も大相撲もそれほど必死になって応援する方ではありませんが、それでも「お疲れ様でした」と言ってあげたい気分です。
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それはそうと、以前から気になっていた本堂裏のアカバンサスをやっとすべて抜き取りました。これで周りを覆われていた桜桃の木もイチハツも元気になってくれるのではと思っていますが、ゴミ袋5枚分の作業には疲労しか残っていません。

「暑さ寒さも彼岸まで」とは言いますが、その彼岸も今日が最後。いよいよ《衣替え》を考えなければならない時期ですが、何しろ法衣は夏用と冬用(白衣は合物がありますが)しかなく、襦袢と白衣に法衣を着ると3枚(下着を含めると1枚増える)で、その上に袈裟(法要は五条袈裟か七条袈裟)をつけるわけですから、合計4~5枚になります。そのため、《衣替え》の時期だからということでスッパリと冬物に取り替えると、まだ30度近くを前後している昨今では逆に暑さに苦しむことになります。ですから、毎年《衣替え》をいつするかが悩みの種になります。そんな状態ですから「昔の人達も大変だっだろうなぁ」とは思いますが、実はそんなことはないようです。なにしろ、当時の平均気温は現在よりもずっと低い上に《合成繊維》ではありませんからねぇ。
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ところで、塀の工事の方は中塗りが終わって瓦乗せと上塗りだけになりました。最初の予定ではもう終わっているところでしたが、道路使用許可の取得に時間がかかってスタートが2週間遅れましたので、完成は今月末になると思われます。と言っても9月は残すところ4日ですから、今一番心配なのは台風の襲来です。16号台風の進路コースはどうなるのでしょうかねぇ。

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