住職のひとりごと

鳥取市にある浄土真宗本願寺派のお寺、淨宗寺の住職日記です。基本は毎日更新です。

2024年09月

昨日は毎年お彼岸やご命日になるとお参りをするお宅に行きましたが、なにしろ気温が35度を過ぎる昼前であり、帰寺すると直ぐに昼食の準備に取りかからないと彼岸法要に間に合いません。もっとも、春秋共にお彼岸はどこのお宅もお墓参りが中心で、本堂にはほとんどお参りに来られないのが残念ですがね。
IMG_3509
彼岸法要での一口法話は、彼岸という行事は中国で生まれたものであってそれが日本に渡ってきた時に根付いたこととか、春分の日と秋分の日を中日とする理由等を話しました。一般的に言われている「太陽が沈む真西に極楽浄土があるから」という説では「極楽浄土とは阿弥陀如来の浄土であり、他にも多くの仏がそれぞれの場所に浄土を造られているから、この説は間違いではないが絶対ではない」とか、「何故どの宗派も『南無~』と言うのか」ということがその内容です。その後は本堂から納骨堂そして当寺のお墓とお参りしましたが、もう汗びっしょり。読経の後は直ぐに白衣も下着も洗濯しました。
納骨堂前の桔梗の花も完全にダウンして、今やカラカラになっています。

いよいよ今日から秋のお彼岸が始まりますが、鳥取の昨日の最高気温は37度を超えたとのこと。しかも今日の予想最高気温もまた37度とのことですから、「暑さ寒さも彼岸まで」とは「彼岸になれば~]ではなくて今年は「彼岸が過ぎるまで待て」という意味に変わったのでしょうね。とりあえず「彼岸後は30度までいかない」というのが気象庁の週間予報ですから、それを心待ちにしますか。
IMG_3492
松の後ろにある黄バラも水不足で大輪になっていないし、昨日のTVで報道されていましたがある観光地では去年の今頃は数万本の彼岸花で真っ赤になっていたのに今年は茎が伸びているだけで青一色で、観光客曰く「まるで一面がアスパラ畑だよね!」とのこと。太宰府では猛暑が連続60日ですから、確かに「夏の次がまた夏だよね」との言葉も的を得ていると思いますがねぇ。

昨日の名月を鑑賞した人とは一体どれくらいだったのでしょうか。私は当然のことダウンして鑑賞よりも休む方が先でしたね。何しろ最高気温が34.8度ですから、残暑と言うには余りにも暑くてお宅参りの途中でも汗が流れるほどでした。明日から秋のお彼岸なのにこの暑さでは、本当に「暑さ寒さも彼岸まで」を信じたらいいのでしょうか?
IMG_3500
ところで、昨日の写真は坊守の小物を使いました。坊守は可愛いものが好きで今も下駄箱の上にいろいろと飾っていますが、秋にふさわしいものを探したら出てきたものです。その時に見つけた小物もいくつか飾りましたが、今日はその写真にしました。

残暑厳しき昨今ですが、そんな中にも暦の上では今日が《中秋の名月》です。
IMG_3493
ところで、《中秋》とはその字のごとく「秋の真ん中」という意味で、旧暦では春が1~3月で、その後は夏が4~6月、秋が7~9月、冬が10~12月になっています。そのことは『歳時記』を見ればよく分かり、今では夏の行事であるお盆や花火は実は秋の季語ですし、年賀状に「初春」「新春」と書くのも旧暦が元になっています。つまり《中秋の名月》とはその7~9月の真ん中である8月の満月のことであり、それが新暦で計算すると今日になるわけです。
蛇足ながら、旧暦は太陽暦ではなくて月の満ち欠けによる計算(太陰暦)なので1ケ月が30日ですから新月から計算して15日目が満月であり、そのことから満月のことを別名《15夜》とも呼んでいる訳です。
また、別に《仲秋》と書くこともありますが、《中秋》が単に3ケ月の真ん中である8月を示す「陰暦8月の異称」であるのに対し、秋の3ケ月をそれぞれ「孟・仲・季」に分けてその中の真ん中に当たる「仲の月」ということから《仲秋》という言葉で表記しているわけです。したがって、結局は同じ8月のことなのですがね。

昨日は枯れたツツジと雑草のことを書きましたが、そんな遊歩道の花壇もよく見ると可愛い花が咲いていたりネコジャラシが風に揺れていたりして、そんな光景を見るとやはりホッとします。
IMG_3504
IMG_3505
でも、この時期になると毎年ツツジの間から頭を出してくるはずの赤い彼岸花(別名・曼珠沙華)が、今もって見えません。ここだけかと思っていましたが、今朝のTVでも「今年は異常な猛暑の関係か、彼岸花が咲いていない」と言っていました。明日は中秋の名月なのに、今日も最高気温が34度とか・・・。本当に今年の異常さでは、日本から四季から秋がなくなって「春夏冬」になるかもしれません。でも、これって商売でよく使われる符丁(「秋なし(商い)」)なんですけれどね。

↑このページのトップヘ