いよいよ今日で8月も終わりますが、今日の暦は『野分』。「野の草花を分けるように吹く大風」ということで台風のことを意味しますが、この《台風》という漢字はもともと《颱風》だったそうですね。実は《「颱》とは「夏から秋にかけて南方から襲来する暴風」のことであり、春から夏にかけての暴風には風に具と書く《颶(ぐ)》が当てられます。このように、ちょっとした違いのもとに言葉を換えるものは日本語には多く、その中でも昔から今に至るまでよく使われているものに雨の種類があります。たとえば「小雨」「霧雨」「こぬか雨」「五月雨」「梅雨」等がそうですが、最近はこれに「ゲリラ雨」が加わりました。しかし、この言葉には何となく風情がないですねぇ。そういえば、花見橋の袂にあるこのしだれ柳もかつて台風で倒れたことがあってその代わりに後になって植え替えられたものですが、現在は《育ちすぎ》で川側の枝は剪定もされずに伸び放題ですので、大風の時はすごいですよ。
ところで、似たような自然現象でも「霧」と「霞」とは季節が違いますし、今の季節の代表である西瓜や花火は、実は《秋》の季語です。最近はテレビの影響もあって俳句が参加ですが、季語が載っている『歳時記』は現代の感覚とは違って江戸期のものですから当然に《旧暦》なのですが、「『歳時記』にそう書いてあるから」というだけで不思議に思わない人がいかに多いか。世の中のことを当然ととらえるか疑問に思うかは大変な違いなのですがねぇ。
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